2社の戦い・その1

2006年9月30日(土)16:00

思わぬ展開で、土地を買うことになったわたしたち。
土地の契約金分は貯金で払えるにしても、それ以外はローンで支払う必要がある。
土地だけ先にローンを組んで支払い、建物はどこで建てるかゆっくりじっくり決めて
後からローンを組む・・・。
そうなると、ただでさえ高い手数料が2重になり無駄だ。
というわけで、土地と建物合わせたローンを組むために、早々にハウスメーカーを
決める必要が出てきたのだった。

今まで見た中で良かったP社・セキスイハイムの2社から選ぶことになった。
本来だったら、もうちょっと他のメーカーも見て、良いところ悪いところを知ったほうが
よかったのだろうけれども、時間的に厳しい・・・。
なんの偶然か、2社とも同じようなタイプのメーカーであり、わたしの密かに興味のあった
太陽光発電に力を入れている点でも惹かれるものはある。
だから、他のメーカーを見ても、結局2社が最終候補にはなりそうではあるけれども、
ちょっぴり楽しみが減ってしまったような気分にもなった。
間取りを提案してもらって、見積もりを出してもらって、どうにも払えそうにないのなら
違うメーカーを探さなくてはいけないのだけれども。
まずは間取りの提案をしてもらう。

P社の紹介してくれた土地の中にも、購入することになった土地は入っていたので話は早い。
土地を買うことを決める前だったような気もするが、
「あの土地が気に入ったので、試しにあの土地の大きさでプランを考えて欲しい」と
お願いしてあった。
今日、そのプランを見せてもらう約束になっている。
お昼過ぎに予定が入っていたため、夕方からの打ち合わせになった。
今日は夕方から予定がびっしりだ。P社との打ち合わせ、ハイムで土地契約、
ハイムとの打ち合わせ、と続く。

前回P社のモデルハウスに入ったときは、1階のリビングで話をしたが、
今日は2階の打ち合わせルームへ通される。初めてなのでドキドキ・・・。
プランを作ってもらう時に想定した土地を実際に買うことになったこと、
その土地をセキスイハイムが仲介してくれたこと、
今日18:00から土地の契約をハイムのモデルハウスで行うこと、
正直に先に伝えた。

担当の営業さんが間取りの書いてある図面を持ってきてくれた。
初めての、”自分たち”のための間取りである!それだけでちょっと興奮(笑)
大人になった気分だ・・・。
先日工場見学に行ったとき、敷地内にあったモデルハウスがとても気に入ったことを
知っているので、そのモデルハウスを元に作られた間取りであった。
さすがに同じとはいかず小さいが、ずいぶん似せてあった。
細かく説明してくれて、そのたびにニコニコしながら「いいねぇ」と言っていた。
そりゃ、営業さんも脈ありと思うだろう。2人して”欲しい”オーラが出ているのだから(^^;

P社のモデルハウスを出て、いったん図面を車に置きに行く。
土地契約の時間が迫っていたので早足だ。
興奮しながら「これ、欲し〜〜〜!」と出てしまった。
「やっぱ、いいよねぇ。P社がいいなぁっ」
完全にP社欲しいモードだ・・・。

2006年9月30日(土)18:00

「P社欲しい」そんな頭で、ハイムのモデルハウスに入る。
隣りの市にある不動産屋さんだが、わざわざこちらの市まで来てくれることになった。
ハイムが場所を提供してくれ、営業のMさんも立ち会ってくれるという。
なにしろ急に決まったし、勉強不足だし、心強い。
初めて見る不動産屋さんは、わたしたちと同年代で気さくな人だった。
以前勤めていた不動産屋を辞め、友人と2人で小さな不動産屋を立ち上げたらしい。
わたしたちが買う土地を含め、周辺8区画販売し、問い合わせはあるのだが、
なぜか、申し込んだ人にはローンの下りない人が相次ぎ、
なかなか完売できずにいたようだ。
そんな話を聞き、「うちも下りなかったらどうしよう・・・」と思ってしまった・・・。

いろいろ説明を受け、契約書を交わす。普段使うことのない実印を押し、
手付金を支払った。
大きな買い物の第一歩だ。のりちゃんとしては、身の引き締まる思いなのだろうか。
買うのはのりちゃん名義なので、やや気楽。横にちょこんと座って大人しくしていた。

残金の支払い期限を決めたが、「建物をこれから決めてローンを一緒に組むだろうし、
多少過ぎても大丈夫ですから」と言ってくれた。
なんていい人だ・・・v社員2人だから融通が多少利くようだ。
出来るなら守りたいものだが、時間的に余裕がないのでありがたい。
良い買い物が出来た気分だった。

2006年9月30日(土)20:00

土地の契約に意外に時間がかかった。いろいろ説明や契約書の読み合わせがあったので。
20時になっていたが、ハイムの間取りを見せてもらうことになっていたので帰れない。

営業のMさんは「自信あるんですよ」と笑顔で言った。
P社の図面より縮尺が大きくて見やすかった♪

P社で気に入ったモデルハウスがあることをもちろん知らない。
なので、それに似ているはずはなく。
ハイムに伝えている希望は、
・リビング階段
・吹き抜け
・大きな窓
・2階に子供部屋は1つでよい、その代わりフリースペースが欲しい
・対面キッチン
・和室必要
・完全に真っ平らの屋根は×

これくらいだったか。
出されたプランはそれらすべて当てはまっていた(当然か)。
そのプランは意外に思い描いていなかった縦長のおうちだった。
しかも、階段がダイニングとリビングのど真ん中にある。どど〜〜んっと。
まだまだ勉強不足だったわたしたちの頭の中にはそういう間取りは思ってもみなかった。
なのでとても驚いたのだった。しかし新鮮だった。

わたしたちの中で、P社が1番、ハイムは2番だった。その差はけっこうあった。
ちなみにハイムの下は、見学したハウスメーカーが少なく、特に順位はない。
営業の対応が良かったのも、P社とハイムだったし。
このプランを見て、P社とハイムの差が縮まった。
「意外にいいじゃん、ハイム!」そう思った。
今までの印象としては、”モノ良いんだろうけど、なんかパッとしない・・・”だった。
P社の方が中の設備など含めお洒落度が高い気がした。
ハイムは、見た目が普通っぽいし垢抜けていない気がしていた。
なのに、なんで値段が高いの?と正直思っているくらいだ。
それが、値段はさておき、「なかなかやるな」に変わった。
わたしたちのことを考えて作ってくれたというのが伝わってきたのも
ポイントがアップした要因かもしれない。
すでに配置図も考えてくれていて、リビングの前の庭に
駐車場がないようになっているプランを薦めてくれた。
採光も十分とれそうだし、角地であることを活かしたプランにもなっている。
P社はそこまで考えられていない。それも無理はないのだが。
本当にその土地を購入するとは知らなかったのだから。

自信のプランを持ってきたMさんは大プッシュ。猛攻撃である。
「今すぐにでもうちで決断してくれ」と言わんばかりだった。
なにしろ、土地を仲介したという恩もある。
時間はあっという間に流れた。
さすがに疲れた。お腹も空いたし、トイレも行きたいし。
一生懸命説明してくれるところを遮るのも悪くて、気の弱い2人は言えず(−−;
「まだかなぁ」「終わりにしようよぉ」と思っていた。
22時を過ぎたところでようやくお開きになった。

次の日は、ハイムの工場見学会に参加する予定だった。
しかし、状況が状況だけに、のんびりハイムの工場を見学する気にもなれなかった。
P社とハイムのプランを検討する時間が欲しかった。
それに、22時過ぎるまで打ち合わせをしていたので、体力的にもきつい。
工場見学はお断りした。
ぐったりしながらファミレスへ。遅い夕飯をとる。なんだか食欲も失せた・・・。
次の日はのりちゃんの実家に、意見を聞きに行くことにした。

2006年10月1日(日)お昼

昼間、のりちゃんの実家に2社のプランを持ってお邪魔した。昼食も頂くv
のりちゃんのお母さんには、いかにも”普通”な外観をしているP社の方が反応が良かったように思う。
年配の方にはハイムbjの外観は斬新かなぁと思いきや、意外にお父さんには受けが良かった。
間取りを各社じっくり見ていった。

P社の方は難点があることに気が付いた。
昨日は舞い上がっていてわからなかったことが見えてきた。
まずは日当たり。
気に入った土地の大きさでは考えてもらっている間取りであるが、
方角や日当たりは考慮されていないようだった。
本気で買うことを知らなかったのだから当然ではあるが、
”あの土地だったらば、日当たりなどはこうなので・・・”っていうのも考えられていない。
このプランではせっかくの南側に玄関がきてしまっていた。
一応、リビングダイニングには日が入りそうだが、すごくもったいない。
和室も狭い。将来、のりちゃんの親が住むことになったらというのを考えると、もう少し欲しいところ。
作り付けの収納も少ない。
モデルハウスを見て気に入った、家事スペース。モデルハウスではちょっと高い位置、
リビングにある階段の踊り場というような場所に作られていたが、
スペースがないのか、金額的に難しいのかわからないが、リビングダイニングと同じ高さにあった。
リビングダイニングの中央にあるので、全体を見渡せはするが、
モデルハウスを見てしまうと、見劣りする・・・。
日当たりを考慮して、今の間取りを反転させると、玄関位置的にはまぁまぁだが、
今度は和室が北側の寒いほうに押しやられる形になってしまう。
2階にエレクトーンも置けるスペースと、作り付けの机が置けて、部屋に閉じこもらず
勉強なり趣味のことなりをする場所があるのは良かった。

最初は良いなと思ったP社のプランではあるが、問題点が見つかってきたせいか、
ハイムの方が良く考えられていると思え、好感が持てた。
方角的にリビングダイニングの日当たりは良さそうだし、
和室も日当たりは大丈夫そうで、条件である”最低6畳”の最低ラインではあったが、
クリアはしている。
2階のフリースペースは、後に一部屋として区切れるだけあって、十分過ぎる広さだ。
収納もたっぷり。そんなところにいるの?っていうのもあるくらい(笑)
リビングや和室のすぐ目の前に駐車場はなく、庭が広がりゆったりくつろげそうだし。
ただ、リビングとダイニングの中央にどど〜んっとある階段は斬新だし、邪魔な感じがあるのではと
思った。のりちゃん母には不評な感じ・・・。

間取り的にはハイムが「意外にいいかも」と思えても、P社に惹かれていることは変わらなかった。
これでハイムのプランがいまいちだったら、
「ほら、やっぱりP社だよねぇ。土地を紹介してもらったご恩はあるけど、ごめんなさい」が
簡単に出来たであろう。
思いがけず良かったから、悩みに悩んだ。
土地の支払いに間に合わせるため、ハウスメーカーを決定するリミットは近い。
あと10日くらいで決めないといけない。
”迷っている”とはいえ、このときはまだ心はP社にだいぶ傾いていた。

2006年10月1日(日)20:00頃

夜、P社の営業さんがうちにやってきた。昨日会った時点では約束はしていなかった。
何しに来たのか、今となっては忘れてしまった・・・。
昨日話したことを考慮した図面を持ってきたんだっけか?
昨日、土地を買うことになったことや、早くハウスメーカーを決めなくてはいけないこと、
それにともない、ハイムとP社、2社のどちらにするかで検討中だと伝えたため、
営業さん的には”今、営業しないでいつするんだ!!!”っていう時だし、
頑張っているわけか。
しかし、P社の営業さんの口からは、ハイムの悪いところを聞かされた気がする。
他社と比較して自分の会社を売るのは当然だけど、批判が多かったように思えた。
ちょっと不快だったため、余計多いような気になったのかもしれない。
「別にハイムさんを悪く言うつもりじゃないんですけど」という前置きがついていて、
でも中身は結局、悪く言ってるでしょって感じ。
批判する暇があったら、もうちょっと自社の良いところをアピールすれば?って思ったのだった。
それはのりちゃんも同じ意見だった。
柔らかい口調の人でけっして悪い人ではないようなのだが、
営業経験もまだそんなに多くはなさそうで頼りない感じはあった。
その点、ハイムのMさんは人当たりもいい。営業も手馴れているし、
土地を購入することになったのもMさんが不動産屋さんに一言伝えてくれたおかげだから、
仕事は出来そう。
間取りもわたしたちの意見をしっかり汲んだ上で、使い勝手の良いものを提案してきてくれたのは
好感が持てる。
たまたま、のりちゃんの会社にMさんの営業で建てた人がいて、その人も「信頼できる男だ」と
言っていたらしい。そういう意見を聞くと、安心する。
徐々に流れが変わっていった。ハイムに向かって・・・。
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