2社の戦い・その2

2006年10月2日(月)夜

2人とも、P社の方が気に入っていたはずだった。
「絶対P社の方が高いよねぇ」
「ハイムの方がもし、だいぶ安かったらハイムを選ぶことになるのかなぁ?」
みたいな会話もしたくらいだ・・・。
だが、心はセキスイハイムへと動いていった。
とは言え、簡単にP社も切り捨てることは出来ず、2人して「うーん、うーん」うなるのであった。

夜、セキスイハイムのMさんがうちにやってきた。
簡単な見積書を持ってきたのだった。
「早めにお伝えしておいたほうがよいと思いまして」
次の打ち合わせで知るより、考える時間が出来るのはありがたい。
来週の土曜日はハイムとP社と、両方予定が入っていて大忙しで余裕ないし。

見せられた金額は、わたしの思う予算よりも高いものだった。
年収や自己資金を伝えているだけあって、さすがにかけ離れたプランにはなっていないが。
家を建てるということの厳しさを実感した。
もちろん、下を見れば、安く建てられるメーカーは何社もあるだろう。
それをあえて、高いハイムやP社にしようとするのは、
両社の”今、高くお金を出すけれども将来のメンテナンス費用や光熱費を抑えられます”とか
太陽光発電とか、良い品質であることとかが気に入ったからだ。
一生に一度の大きな買い物、どうせ買うなら良いと思ったもの、気に入ったものがいい。
・・・と思いつつも、具体的な数字を見たのは今日が初めてだったので、
衝撃ではあった・・・。

2006年10月−日

2人で外出しようと思って、アパートの扉を開けた。
アパートのすぐ目の前は住宅は建っていないが、少し離れたところにある住宅街がある。
その中のとあるおうちにふと目が留まった。
家と家との間から、一部が見えている、グレーのタイル張りのおうちに・・・。
「あれって、bjじゃない?」
「あー、そうかも!あんなんだよ、プランでもらったやつ!」
今住んでいるアパートのすぐ近くに、今ハイムから提案されているbjが建っていたのだ!!!
全然気が付かなかった。無理はない。
ついこの間まで家を建てるつもりもなかったし、当然、bjという商品も知らなかったのだから、
気に留めるはずがないのだ。
のりちゃんは「あの家、見てみたい、話を聞きたい」と言い出した。
とは言え、なんの面識もない知らない人のおうち・・・。
見たり聞いたりしたら、bjというものがどういうものか、イメージがわく。
今、一生に一度の岐路に立たされている。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」
そんな言葉を思い出し、わたしたちは突撃することに決めた!
不躾なのはわかっている。門前払いされて当然。
でも、もしチラッとでもお話を聞けたら・・・、絶対役に立つ。
ハイムから提示されたプランと、母が遊びに来たときに持ってきた、
まだ1つしか食べていない手土産を持って、そのお宅に向かった。

インターホンを鳴らすと、出てくださったのは若い奥さん。
事情を説明したらドアを開けてくれ、それだけではなく中に入れてくれたのだ!
旦那さんも出てきてくれた。とても優しいご夫婦だった。
同年代で、うちと同じようにまだ子供はいない模様。
プランと商品カタログだけではよくわからなかったことが
中を見せていただいて、イメージをつかむことが出来た。
気になっていた、リビングとダイニングの真ん中にある階段も全然邪魔に感じなかったし、
リビングやダイニングと廊下をつないでいる、光を透すスライディングウォールという
大きな扉もうちのプランについていたものと同じだったからよくわかった。
2階にもあがらせてもらった。
うちのプランとは場所が違ったが、通常の廊下よりは広いフリースペースもあって、
よそのおうちの使い道もわかった。
三角屋根の下はとても広い開放的な空間になっていることも実感出来た。

勇気を出して行ってみてよかった。
ハイムの営業さんにこのことを話し、後日お礼に伺ってもらった。

2006年10月−日

ハウスメーカーを決めるにあたって、のりちゃんとわたしに大きな意見のすれ違いはなかった。
元々趣味が合うなど、感覚が似ているせいだろうか。
当初P社がいいなと思っていた2人が、ハイムに惹かれていき、
そして2人とも納得した形でハイムに決めた。
妥協ではないのだ。
「こっちでいいや」ではなく、「ハイムで建てたい」そう思った。

ハイムとP社の間取り図を眺めていて気が付いた。
ハイムの間取りだと自分たちが暮らしている姿を想像出来た。
しかし、P社では全く思い描けなかった。
ハイムの場合、モデルハウスだけでなく、実際に建築中のおうちであったり、
すでに住んでいる人のお宅を見ることが出来たが、P社はモデルハウスだけだった。
実際に建てる大きさに近いものを見ることが出来る現場見学はとても重要だと思った。

のりちゃんの周囲には何人かハイムで建てた人がいた。
そのため、話を聞くことが出来たのも大きなポイントだ。

そして営業さんの人柄も大きな判断材料だと思う。
いくらいい物でも、店員の態度が悪ければ買う気も失せる。
スーパーで夕食の材料を買うのとは違う、大きな買い物だ。
失敗は絶対に許されない。
この会社なら任せられるかどうかは、一番多く接する営業さんで判断することになるだろう。
営業さんを信じる=その会社を信じるということだ。
P社の営業さんは、「悪く言うつもりはないんですが・・・」と言いつつも、
ハイム批判ばかりに聞こえて嫌気が差した。
良いところばかりを並べ立てられても、「本当か?悪いこと隠してる?」と思ってアヤシイが、
他社を落として自社を良く見せようとすることばかりを繰り返しても、
自社のアピールにはならない。と、わたしは思う。

そんなこんなで、2人の心はハイムに決まったのだった。

2006年10月7日(土)午前

今日は午前にはセキスイハイム、午後からはP社との打ち合わせ。
まずはハイム。

今付いている建物の仕様を仕様書を見ながら説明してもらう。
例えば、キッチンにはどういうシンクや収納がついて、大きさはどれくらいで、
勝手口の扉はどういうタイプで、そこにつく窓ガラスはどういうもので・・・、などなど。
各部屋でどういうものがついているかの説明があった。
細かく見ていくので、時間もかかった。
午後からP社との打ち合わせの予定があり、それをハイムの営業Mさんには伝えてあったが、
なかなか終わらなかった・・・。
先日見せてくれた見積もりよりも、多少値引き額が増えていた。
わたしたちの中ではもう”ハイムで建てたい”という気持ちが決まっていたので、
あとはどれくらいまで下がるか、だ。
だが、まだハッキリと「こちらで契約します」とは言わなかった。
一応、午後からの話も聞いてから、と思った。
しかし、「ハイムで、Mさんと一緒に建てたいと思っている」とはもう伝えた。

P社との打ち合わせに間に合わないくらい時間が長かった。
ハイムにするつもりでいることを伝えてはあるが、来週半ば頃までにはハッキリと返事をする
ことを伝えて、ハイムを後にした。

2006年10月7日(土)午後

P社との約束の時間には間に合わなかった。
遅れることと大体の時間をを連絡し、近くのファーストフード店で素早く昼食を取る。
「ハイムにするって言っちゃったけど、もし、もしP社が大幅に値引いてきたらどうする?」
「それでもハイムにする。これがいいって思ったから」
そんな会話を交わしながら・・・。

遅刻の理由は伝えなかったが、ハイムが長引いたからって営業さんはわかっていただろうな。
まずは、前回のプランで気になった、日当たりの良い場所に玄関がきてしまっている部分を
改善したプランを見せてもらった。
前回のプランをほぼ反転させただけで、そのため、和室が北側になってしまっている。
全く惹かれるものはなかった。
最初は「いいねぇ〜いいねぇ〜」と嬉しそうに聞いていたわたしたちだが、
知恵がついたせいか、良いと感じなくなっていた。
相槌にも力はない。ちょっと失礼な態度だったかな・・・。
P社の営業さんには今日来るときに、「ハイムさんの見積もりなどをお持ちいただければ、
適切なものかどうか見ることが出来ますので、よかったら持ってきてください」というようなことを
言われていた。
当然、持って来るはずはない。こう言われて持ってくる人はいるのだろうか・・・(^^;
けっこうな額を値引いてきたと思うが、金額の問題ではない。気持ちはもう離れていた。
ハイムと同じように、来週半ば頃には返事をすると伝えて、帰宅した。
inserted by FC2 system