家を建てようと行動を開始したきっかけ〜のりちゃん編〜

いつかは一戸建てを持ちたいという気持ちはもっていたが、具体的なビジョンは全然浮かんでいなかった。
住んでいるアパートについても不満や不便は全くなかったし、
近所付き合いとか気にしなくていいのも楽だった。
2006年8月始め、赴任していた遠隔地から茨城県に戻ってきた会社の同僚の
「実は今度、家を建築するんだ。」
という一言が、自分の中で1つ目のプッシュだった。
彼とは同期入社で特に仲がよく、学校も学年も同じ、彼の結婚披露宴で友人代表スピーチもしている。
身近な人間でそういう者が出てくると、焦りとまではいかないが、
勉強がてら何がしかのアクションくらい開始してもいいのかなと思うようになった。

そんな折、毎週土曜日に新聞に大量に折り込まれてくる家チラシに興味を持ち何枚か見てみるようになる中、
そのうちの1件、Dハウスの建売分譲住宅に何となく興味を持ち、
奥さんとも意気投合し散歩がてら見に行ってみるかということになった。
8月第3週あたりのことである。

初めて見る新築住宅は、全てが良く見えた。洋風のかわいらしい外見、
最新設備の整った水周り、リビング階段、吹き抜け、防犯設備、明るい庭など。
奥さんは戸建住宅に暮らした経験がなく、また自分の実家も築30年の小さな平屋であったため、
2人してカルチャーショックを受けるかのごとく目を輝かせ臆面も無く
「いいね〜綺麗だね〜、欲しいね〜。」を連発する。
その様子に気を良くしたのか、エスコートしてくれたDハウスの担当さんは、
我々に多くの時間を割き色々説明してくれた。

家作りにかかる費用やその金策についても、そこそこ説明してくれたおかげで、
これから上昇することはあっても下がる事は間違いなく無いであろうローンの金利や消費税にも触れ、
遅ければ遅いほど後々が大変になるのだということは理解できた。
自分は、まだそこまでは思わなかったが、奥さんは漠然と描いていた外見や間取りや設備のイメージと
ほぼピタリであったらしく、スーパーも近く、また分譲であれば近所もみんな同時期スタートであり
土着の集落にいきなり入っていく心配も無い為、もうあれでいい、
むしろあれが欲しいとまで思えてしまっていたようだった。
いずれにしても、この1日で、家を建築する気持ちが実感として自分達の中で急速に高まった。

家を建てるのは自分たち夫婦だが、長男でありやはり両親の意向も汲んでやりたいし、
また協力も願うことになるかもしれないので、家を建てようと思う宣言と、
こんな家がいいのだけどという意思表示のため、次の週に同じDハウスの分譲住宅を両親を伴い再び訪ねた。
同じ担当者が対応してくれたが、さぞこれはいけるかもっと思ったかもしれない。
しかし日当たりの点で、父の感触はあまりよくなかった。
でも今まで家を建てたいなど改まって言った事はなかったので、両親は嬉しかったようだ。
家を建てるなどまだまだ先の事と思い、それなりには纏めていた貯金は全て数年先までの定期預金としていたため、
自己資金の調達が心配だったのだが、慌てずによく色々なメーカーを検討しじっくり決めるのであれば、
協力できるからと言ってもらえた。

そんなわけできっかけはちょっとしたことであったが、2006年8月、自分たち夫婦は家を建てるため行動を開始した。
きっかけを作ってくれたDハウスには感謝しているが、自分たちとは残念ながら縁はなかった。
今でもこれがなかったら今の自分たちはなかったと、
もう誰かが住んでいるその家の側を時々車で通る。
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